ゆびさきちまちま

　枝の上。座って空を見上げる。

　雲の隙間から降り注ぐ光。切れ間の青い空。

　遠野の山の中、大きな木がたくさんあって。私はこのために、この場所を選んだのかと今更に気がつく。
　街の中にはない。自然だけがもつ森厳な静寂と孤独。
　耳を澄ませば、何かしらの音があるくせに。全体的にはとても張り詰めていて、静か。

　そのうち、雪が降れば。あたりは白一色に包まれて、静寂は沈黙になる。


　

　欲しいもの、なりたいもの。
　色々な理由と、色々な手段がある。
　
　最大の難関は
　思いがけずもう一度なってしまった月のエアライダーが愛しくて、変えることが出来ないこと。
　そう、ずっとごまかしてきたけれど。結局はそうなのだと思う。
　
　色々な理由を、色々言って。迷って見せているようで。躊躇してる。
　何がしたいかは、実は簡単。どういう力が欲しいのかを、ずっと考えていた。

　（死の翼に愛されて。悲しみに慣れているから…絶望招いて、すぐに疲れてしまう。生きることに！）

　思い出すのは、あの夜。
　自分が、もっと。揺るぎなく勇敢であったのなら、と思うことがある。
　もっと正しく。きちんと。怯えるよりも前に、全てが明るみに出ることすら厭わず、潔白であったのなら…。
　両依存の病理は、どちらにだってあったのに。
　……過ぎた過去は取り戻せず。穿たれた傷は、もうどうにもならない。
　それは、自分と。相手と。どちらにも。
　誰もが、そうやって生きていくのだから…そういう傷があることを、嘆く必要はないのもわかっている。
　そもそも、癒される立場にいながら…あからさまに傷を痛がって見せるほど、傲慢ではないつもり。

　だから、そのことはいい。
　もう勝手に心を傷つけて嘆いたり、しない。
　


　
　欲しいものがあるとすれば、力。
　
　いつだってそう。私は、居場所を守るためにいる。
　戦場で。戦場でなくとも、あらゆる場所で皆に舞い降りる、暗い死の翼と戦って勝つために。
　もう二度と、大切なものを奪われないため。
　いつだって、どんな時だって。私がみんなをつかまえに行く。自分の足で。力で。どんな危険な場所にでも立ってみせる。怖くたって。震えたって、そんなの知らない。
　力が必要。そして、その先に。
　闘う以上に、癒して。前に進めと、背中を押す力が。欲しい。



　何になりたいか？
　しらない。言葉に現せるような何かには、きっとなりたくない。

　





背後：つまりライダーが辞めたくなくてごねてたんだ！と気がついたのは昨日の夜w
　んで、他者回復がほしいのはずっと言ってたけど…理由として確定したのはこういう感じでしょう。

　まぁ…一月、いつも考えてましたよ。口に出さなかったですけど。
　過去は過去のことなので、「傷」についてはどうにもしませんが。
　
　戦う理由はシンプルでないと、スタートダッシュが遅れる雪村羽根。
　巫女本職も考えてたけど…まぁ、ロマンなんですが…バイト、かな。本職は…ライダーのままだととっ散らかるので、牙忍を予定。べ、べつにニンジャ修行してるから本職を牙忍にするわけじゃないよ！？ホントだよ！？
　忍び装束に着替えるでござる！といわれたからって、くのいちイグカとか考えてないよ！？（ぷるぷる）
　てゆか、師匠ができました。何気にうれしい。でも厳しいぜ！ニンジャ道！ニンニン。
　とりあえずはハートを本職にひっくり返して、バイトを牙忍で様子を見る。年末くらいまで。

　と、予定はあるにしろ。まだスタートの音が聞こえてません。
　よーいどん、で駆け出すけど。駆け出す直前、動かない。力をためるカンジ。

　迷ってるのではなく、力をためてるから。
　もう少しだけ、待ってみてください。何を？何かを！